2025.09.14
観光・体験
「瀬戸内国際芸術祭2025」いよいよクライマックス秋会期
西澤利高「色のない翼の彼方」(作品イメージ)
3年に1度のアートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2025」も春会期・夏会期と続き、残るは10/3からの秋会期のみとなりました。
全会期で会場となっているの島々のアート巡りはもちろんですが、秋会期のみ会場となる本島・高見島・粟島・伊吹島に加え、今回の2025年に新たにエリアに加わった宇多津エリアのアート作品も見逃せません。
【宇多津エリア】
新旧の文化と景観が織り成す、全国最小県の最小のまち「宇多津エリア」では、全4作品の展示と2件のイベント開催が予定されています。
西澤利高氏の「色のない翼の彼方」は、水族館の水槽などで使われるアクリル板を手作業で有機的なかたちにした、「水平線への記憶と距離」というコンセプトを持たせた作品です。
山本基氏の「時を紡ぐ」(ときをつむぐ)は、塩で描かれた無数の泡のような形が連なるインスタレーションで、宇多津の製塩業の文化的背景を映し出した作品です。
【本島】
塩飽水軍の本拠地として栄えた古き街並みが造船技術や文化を伝える「本島」では、全13作品の展示と2件のイベント開催が予定されています。
石井章氏の Vertrek「出航」は、塩飽諸島出身の船員が多く乗船していたという、日本で初めて太平洋を往復した咸臨丸をモチーフにした鋼の彫刻です。
エカテリーナ・ムロムツェワ氏の House of Shadows(影の家)は、木彫りの彫刻、人形、絵が描かれたプラスチックシートなど、部屋ごとに異なるオブジェが回転し、布や紙の上に影をつくり出す、空き家全体を使ったインスタレーションです。
石井章 Vertrek「出航」
【高見島】
かつて除虫菊栽培で栄えた、斜面に石垣の家々が立ち並ぶ「高見島」では、全15作品の展示が予定されています。
小枝繁昭氏の「はなのこえ・こころのいろ2025/除虫菊の家」は、作家が高見島で出会った花々をテーマに、写真、襖絵、陶製オブジェとしてカラフルに表現した作品です。
内田晴之氏の「Merry Gates」は、高見港に設置した屋外彫刻作品で、磁力を内蔵した三角の土台に乗ったパーツは、風とともに上下に揺れて来訪者を迎えてくれます。
【粟島】
日本初の海員養成学校誕生の地。スクリュー型に砂州でつながる美しい「粟島」では、全8作品の展示と1件のイベント開催が予定されています。
日比野克彦氏の「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト ソコソコ想像所」は、陸とつながる海底を想像して地球を想うプロジェクトの拠点で、海底から引き揚げられたものを見て海の中に思いを巡らせることができます。
エステル・ストッカー氏の「思考の輪郭」は、旧粟島幼稚園でのインスタレーションで、未来的な空間が子供たちの遊び場になり、かつての幼稚園のにぎわいを想起させられます。
日比野克彦「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト ソコソコ想像所」
【伊吹島】
さぬきうどんの出汁でおなじみ、「伊吹いりこ」の生産地「伊吹島」では、全7作品の展示と3件のイベント開催が予定されています。
栗林隆氏の「伊吹の樹」は、母体からこの世界に生まれたことを暗示させる生命の樹とされ、一面の鏡が万華鏡のように島の景色を映し出します。
みかんぐみ氏と明治大学学生の「イリコ庵」は、建築素材にイリコの乾燥に使われていたせいろなどを使用した「島の小さな集会所」で、鑑賞者の休憩所としても利用できます。
3年に1度の現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」。そして、いよいよクライマックス秋会期。
旅のスタイルに合わせたアート巡りをぜひお楽しみくださいませ。
≪瀬戸内国際芸術祭2025 秋会期≫
■秋会期:2025年10月3日(金)~11月9日(日)の38日間
■会場:
全会期 直島/豊島/女木島/男木島/小豆島/大島/犬島/高松港エリア/宇野港エリア
秋会期 本島/高見島/粟島/伊吹島/宇多津エリア
■お問合せ:087-813-0853(瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局)
■公式HP:https://setouchi-artfest.jp/